企業での業務効率化は重要な課題。
その業務効率化のために取り組んでいるのが「業務の見える化」ではないでしょうか。
業務の見える化は、事務所などのビジネスの場で行う業務のあらゆる情報を共有し、誰が見ても分かるようにすることを指します。
というように、言葉で表現するのは簡単ですが、方法が分からないと実行に移せませんよね。
一般的に、
- ガントチャート
- かんばんボート
と、この2つの手法が業務の見える化の方法として利用されます。
ということで今回は、業務見える化で利用される2つの基本的な方法、「ガントチャート」と「かんばんボード」を詳しく解説いたします。
▶︎目次
1.業務進捗の見える化には「ガントチャート」
「ガントチャート」と名前だけ見れば何なのかサッパリですよね。
起源は古く、第1次世界大戦時にアメリカ人機械工学者であり経営コンサルタントでもあったヘンリー・ガントによって考案され、チャート(棒状の表)で表されるため「ガントチャート」と名付けられたとのこと。
ガントチャートを簡単にいえば、作業工程やタスク(仕事)ごとに作業開始日、作業完了日などの情報を帯状グラフに表したもの。
仕事を進めていくための「段取り」を項目別にまとめた表を指し、主にプロジェクト管理や作業の進捗管理のために使われます。
ガントチャートの作成は、MicrosoftのExcelでも作成できますが、関数やグラフ作成などの知識が必要。そのため、現在ではガントチャートが簡単に作れるツールが便利に利用されています。
- jooto
- smartsheet
- backlog
- InnoPM
などなど、サービス利用は無料・有料に分かれますが、いずれも無料トライヤルが設けられているので、一度試してみてはいかがでしょうか。
ガントチャートを利用するメリット
ガントチャートは前項でも説明した通り、仕事を進めていくための「段取り」を項目別にまとめた表なので、全体の流れの「見える化」の可視化が可能。
そのため、ガントチャートを見れば仕事の全体像がある程度理解できるようになります。
プロジェクト管理や進捗管理するとき状況をわかりやすく「見える化」できるので状況把握がしやすい。
また、進捗管理だけでなく仕事ごとの段取りのムダ、ムラ、ムリが見つけやすくなるので、業務の「見える化」と同時に業務改善の役割も果たしてくれます。
2.業務のタスク管理には「かんばんボード」
業務の見える化で活用されるの「タスク管理」。
タスク管理は、職場内で行う仕事や作業を誰が担当して、いつから開始して、いつまでに完了するのかを管理することを指します。
そのタスク管理の見える化で活用されるのが「かんばんボード」
これは、自動車メーカー最大手の「トヨタ」の生産方式で用いられる「ジャストインタイム生産」を基に広がっていった手法です。
かんばんボードは以下の3段階に分類して管理するやり方になります。
◆かんばんボードの作り方
作り方は簡単で、パソコンは使わずホワイトボードや画用紙などを利用し、まず3つの枠を作ります。
そこに、左からToDo(タスク)→中央Doing(実行中)→右Done(完了)と、部署やチームといった区分で担当者名を記入すれば準備は完了。
そして、タスク(仕事、作業)を一つ一つ付箋に記入していき、担当者別にToDo欄に貼り付けていく。
次に、各担当者がタスクを実行するときは、対象のタスクが記入された付箋をDoing欄に貼り替えます。
最後に実行していたタスクが完了したらDone欄に移していきます。
かんばんボードを利用するメリット
以上のようにアナログでも簡単に作れるので、部署やチームで毎月1回作成すれば、社員一人一人のタスク管理が容易になります。
担当している社員や、いつから実行に移して、いつ完了したのか、といった業務の流れが「見える化」できるのです。
また、一人一人の社員が行うタスクの内容や量も把握できるので、業務の「属人化(特定社員しかその仕事が分からない状態)」の防止。
さらに、特定の社員へ業務負荷が集中することも防止できるので、業務全体の平準化が図れます。
3.まとめ
業務の「見える化」は業務効率化の取り組みとして、業種に関係なく行われています。
業務の見える化は、ビジネスの場で行う業務のあらゆる情報を共有し、誰が見ても分かるようにすること。
そこで、使われる方法が、
- ガントチャート:プロジェクト管理や作業の進捗管理の見える化。
- かんばんボード:タスクの流れと業務負荷の見える化。
と、業務の見える化を行う最も基本的な方法になるので、名前と仕組みは覚えておきましょう。