業務改善や効率化といえば、企業の取り組みとし常に行われているのではないでしょうか。

その際、業務の「見える化」を実施して、現状の問題点の洗い出しをしなければなりません。

「見える化」は現代のビジネスの場で注目され、見える化することで職場の様々な問題が明確になります。

でも、何を見える化すればいいのか注目するポイントの判別は難しいもの。

そこで今回は、業務改善のために「見える化」すべきポイントを3つご紹介いたします。

▶︎目次

1.業務改善で「見える化」すべき3つのポイント!方法を簡単解説

業務の「見える化」という言葉は、近年ビジネスの場で頻繁に聞かれるようになりました。

簡単には、職場の様々な業務で発生する問題を常に「見える」ようにすること。

そして、問題が発生してもすぐに解決できる体制を作り、問題が発生しにくい環境を作っていく、業務改善のための一連の取り組みになります。

そこで、業務改善に繋げるために、「見える化」すべきポイントは、

  • 業務プロセス
  • 業務の偏り(業務負荷)
  • 個々の能力(スキル)

と、いずれも業務改善の妨げとなるポイント。
これらの問題が排除できれば、おのずと職場全体の業務改善に繋がっていくのです。

では、それぞれ詳しく見ていきましょう。

業務プロセスの見える化は「業務フロー」が効果的!属人化を排除

「属人化」という言葉を聞いたことがない方もおられるのでは?

属人化を簡単に説明すれば、特定の業務を一人の社員だけが担当し、他の社員はその業務のやり方が分からない状態のこと。

つまり、その社員だけが仕事のノウハウを持っているので、負担が大きくなったり、万一トラブルが発生したときにその業務が停止してしまったりする危険があります。

業務プロセスの見える化で「属人化」を排除

そこで、企業としては「属人化」を発見して改善していく必要があり、その有効な方法が「業務フロー」の作成。

業務フローは、別に「フローチャート」とも呼ばれ、職場の業務を図で表す「見える化」の方法。

1枚~2枚の用紙に業務の流れを図解することで、業務全体の流れが一目で理解できるメリットがあります。

文章で業務の説明を書き連ねるよりも、業務フローで図解した方が業務の本質を理解しやすいといえるでしょう。

基本的な作り方は、レーンと呼ばれる部門ごとの枠を作り、その中に以下の業務フローの特徴的な図形を配置して、流れに沿って矢印線で繋いで行けば完成です。

  • 開始・終了:角が丸い四角形
  • 作業(処理):普通の四角形
  • 判断・分岐:ひし形
  • システム投入:円筒
  • 書類:下端が波状になった四角形

業務フローが完成すれば業務の一連の流れが明確になるので、属人化が発見しやすくなります。

そして、その業務に対して標準化を図っていけば、おのずと属人化は排除されていきます。

業務の偏りや業務負荷の見える化は「かんばん式」が効果的

職場で仕事をしているとき、業務に偏りがあると感じたことがある方は多いのではないでしょうか?

よくある話は、ある人は2人分の仕事をしているのに、この人は1人分の仕事をしていないなど、どうしても職場では仕事の偏りが出てしまうものです。

また、特定の社員に仕事が集中してしまい、その社員の業務負荷が大きくなっている状態もよくあること。

業務の偏りや業務負荷の見える化は「かんばん式」が効果的

そこで、業務の偏りや業務負荷の見える化に最適なのが「かんばん式」と呼ばれる手法。

かんばん式は、自動車メーカー最大手「トヨタ自動車」の生産方式で活用されている「ジャストインタイム生産」が基になっています。

かんばん式を簡単に説明すれば「タスク管理ツール」を意味しています。
タスク管理とは、特定の業務や作業を、いつから、誰が実行して、いつまでに完了するのかを管理する手法です。

基本的な作り方は、かんばん式ではまず、

  • ToDo(タスク)
  • Doing(実行中)
  • Done(完了)

と、3つの状態別にタスクを分類して管理する方法をとります。

ホワイトボードや画用紙を使い、大きく以上の3つの区分の枠を作成。
左はToDo(タスク)、中央はDoing(実行中)、右はDone(完了)とします。

枠が完成したら、最初にタスク(業務)を一つ一つ付箋などに書き込んでいき、左ToDo欄に貼り付ける。そして、業務を行うときは対象の付箋を中央Doingに移し、その業務が完了したら最後に右Doneに貼り替えて行きます。

この「かんばん式」の見える化を行うことで、社員一人一人の業務内容が把握できるので、特定の社員へ負荷が集中していないか、偏りがないか発見しやすくなります。

そこで、業務負荷や偏りがある場合、実行に移す前にタスクの一部を他の社員に移し替えるなどの対処を行えば、業務の平準化が図れるのです。

「スキルマップ」で個々の能力の見える化

スキルマップとは、業務で必要なスキルを洗い出し、社員一人一人が持っているスキルを表にしたもの。

社員のスキル(能力)を管理するために企業で幅広く使われています。

「スキルマップ」で個々の能力の見える化

職場の部署やチームごとにスキルマップを作成することで、経営者や管理者は、その部署やチーム内にどのようなスキルを持った社員が何人いるのか、人材やスキルの状況を把握しやすくなります。

また、同時に社員一人一人が持っているスキル(能力)が明確になるので、必要な人材育成や教員の方針が立てやすくなるのもメリットの一つです。

作り方は、職場で行っている仕事に必要なスキルを誰がどのくらい持っているのかマトリックス図に表していきます。

型式に決まりはないですが、一目で分かるように作成するのがポイントです。

2.まとめ

企業などでは、常に業務効率化や業務改善の取り組みが行われ、その中で業務の「見える化」が重要。

そこで、業務改善のために見える化すべきポイントは、

  • 業務プロセス
  • 業務の偏り(業務負荷)
  • 個々の能力(スキル)

と、この3つの要素の見える化は行う必要があります。

その方法として、業務フロー、かんばん式(タスク管理)、スキルマップといった「見える化」できる手法があります。

いずれも通常使われるExcelでも作成できますが、今ではインターネット上に無料ツールやテンプレートなどの書式がダウンロードできるので、存分に活用して業務改善のための「見える化」を進めていきましょう。