BPMシステムやBPMNという言葉をご存知でしょうか?
企業などで取り組んでいる「業務効率化」や「業務改善」は、まず業務プロセス(流れ、工程、過程)を「見える化」して、問題を発見する必要があります。
そこで、業務プロセスの「見える化」に効果的なシステムが、「BPMシステム」と業務フロー図を作成するための「BPMN」。
ということで今回は、業務プロセスの「見える化」に効果的なBPMシステムとBPMNをご紹介いたします。
▶︎目次
1.業務プロセスの見える化は「BPMシステム」が効果的!
まずBPMは、Business Process Managementの略語。
直訳すれば「ビジネスプロセス管理」となります。
職場に存在する様々な業務プロセスを設計・定義し、業務の状況を「見える化」することによって、分析や改善を行う管理手法です。
BPMシステムは、BPMをシステム化したもの。
可視化(見える化)・設計した業務プロセスの実行支援や進捗管理をサポートする情報システムです。
主に、ビジネスでは必須の「PDCAサイクル」のすべての段階を的確にサポートしてくれます。
- Plan:業務プロセスの設計と、基幹システム連携など業務アプリケーションを作成
- Do:業務開始(例:受注)から完了(例:納品)までの業務プロセスを共有し実行
- Check:業務の進捗状況を常時モニタリング(状態把握や問題発見)
- Act:実績データを分析し改善につなげていく
このBPMシステムを利用すれば、業務プロセスの「見える化」によって業務プロセスの問題が見つけられ、改善策の検討が可能に。
また、業務プロセスの変更や追加が容易になるので、ビジネス環境の変化に柔軟に対応できるようになります。
利用にあたっては、基本的にBPMシステムツールを利用します。
業務プロセスの「見える化(可視化)」に特化して製品から、分析やモニタリングが得意なツールなど様々あるので、現在の状況や予算に適したツールの選択が必要になります。
2.BPMNを使った業務フローの作り方
BPMNは、Business Process Model Notationの略語。
日本語では「ビジネスプロセスモデリング表記法」になります。
簡単には、業務を実行するとき、関係者が共通に理解しておくべき仕事の始め方、役割分担、各担当者の仕事内容、顧客との接し方などのフローを記述する手法。
国際標準(ISO15910)になっています。
BPMNには、以下のようにレベル1とレベル2と、レベル分けされています。
◆レベル1(記述モデル)
業務実務者の合意形成やシステム構築者に必要な情報を伝える道具として使用。
記号と注釈文によって、だれでも簡単に分かりやすいフロー図が作成できます。
◆レベル2(分析モデル)
業務プロセスをBPMシステムなどで実現するための設計情報として、業務の統制や例外処理などを記号で表します。作成には専門的な知識が必要。
以上のように、レベル1なら習得が可能。自身で業務プロセス図の作成ができます。
BPMNの基本的な作り方
業務プロセス図に作成にあたっては、前提として誰が見ても直感的に理解できるような、わかりやすい業務プロセス図の作成が基本。
また、部門別に作成する場合、すべて同じ規格で業務プロセスを作成しなければなりません。
各部門がそれぞれ独自の規格で業務プロセス図を作成してしまうと、誤解が発生したり、統一した規格に変換したりする作業が発生します。
そこで、BPMNを利用すれば、少ない図形で複雑な業務プロセスの作成が可能。
基本的なルールさえ理解していれば、誰がみても分かりやすい業務プロセス図が作成できます。
BPMNで業務プロセス作成する際の基本のルールは、「丸」、「四角形(角丸)」、「菱形」、「線」を使うこと。
- 丸:業務プロセスの開始、中間、終了
- 四角形:作業
- 菱形:条件分岐
- 線:各図形を繋ぐ業務プロセスの流れ
また、「レーン」呼ばれる枠に業務プロセスに関わる部門や担当者を入れることで、全体的な流れを分かりやすくできます。
作成イメージは以下の通りです。
(出典:㈳日本ビジネスプロセス・マネジメント協会 「BPMとは」)
BPMNを用いた業務プロセス図の作成は、単に業務手順や仕事内容を可視化するだけでなく、業務プロセスごとの複雑な関係性まで「見える化」できます。
結果、業務プロセスの中で今まで気が付かなかったような問題を発見しやすくなるのです。
3.まとめ
業務効率化や業務改善するためには、まずは業務プロセス(流れ、工程、過程)の「見える化」が必要になります。
そこで、業務プロセスの「見える化」では、「BPMシステム」と業務プロセス図を作成するための「BPMN」が効果的。
利用することで、業務プロセスの「見える化」が容易になり、業務プロセスの問題が見つけて善策の検討が可能になります。
現在では、BPMシステムやBPMNのセミナーやフォーラムが定期的に開催されているようなので、興味がある方は参加してみてはいかがでしょうか。