業種に関係なく仕事をする上で、「業務効率化」は常に取り組んでいるのではないでしょうか。
業務効率化のためには、まずは「業務の見える化」が必須。
業務の見える化は、オフィス内で行う業務のあらゆる情報を誰が見ても分かるようにするのが一番の目的です。
その業務の見える化する方法として一般的に使われるのが「ガントチャート」
ガントチャートとは、プロジェクト管理や生産管理などの進捗管理に使うための表で、別に「スケジュール表」や「管理表」と呼ばれています。
この作成は、誰もが利用するMicrosoftの「Excel(エクセル)」で作成可能。
ということで今回は、業務進捗の見える化に有効な「ガントチャート」をExcelで作成する方法をご紹介いたします。
▶︎目次
1.業務の見える化の目的とは?
様々な企業で問題になっているのは、業務の「属人化」ではないでしょうか?
属人化とは、特定の業務を一人の社員だけが担当し、その社員しか仕事のやり方が分からない状態になることを指します。
それにより、特定の社員だけが負担が大きくなったり、部署ごとに作業量に偏りができたり、仕事が止まってしまうなどの問題が発生。
そこで、「業務の見える化」によって、業務を「いつ・誰が・どこで・どのように」しているのかを可視化することで、業務効率を下げる「ムリ」や「ムラ」、「ムダ」が見つけやすくなります。
つまり、業務の見える化の目的は、業務効率化のヒントを見つけること。
業務の見える化によって業務の可視化することで、問題が発生したときにすぐ解決できる、しいては問題が発生しにくいオフィス環境を作りができるのです。
2.Excelで「ガントチャート」を作る方法!ポイントは横棒グラフ
オフィス内で「業務の見える化」するために重要なポイントは「情報共有」。
情報共有する方法は様々ありますが、誰が見ても仕事全体の流れは把握できる「ガントチャート」が一般的に利用されます。
ガントチャートとは?
ガントチャートとは、冒頭でも説明した通り、業務の作業計画やスケジュール管理を目的に用いられる表のこと。
作業工程ごとのスケジュールや工数、担当者を可視化してくれます。作成イメージは以下の通り。
(出典:ウィキペディア)
特定の作業を進めていく上での「段取り」を項目別に表にまとめることで、誰が見てもある程度業務の全体像が把握できるメリットがあります。
ちなみに、ガントチャートという呼び名は、アメリカ人機械工学者であり経営コンサルタントでもあったヘンリー・ガントによって考案され、チャート(棒状の表)ということで「ガントチャート」と呼ばれるように。
Excelでガントチャートを作る方法
そのガントチャートは、ソフトやツールの利用や、誰もが日々利用しているMicrosoftの「Excel」でも作成可能。
作成にあたっては、Excelにはグラフ作成機能があり、この機能を利用することで表の作成に合わせてガントチャートを作ることができます。
ただし、Excelは表計算ソフト。ガントチャートの制作はできますが、本来の機能以外の関数などの知識は必要。
手順➀ タスクを洗い出してタスクテーブルを作る
タスクとは、直訳すると「作業、仕事」。
まずは、現在オフィスで行っているタスクを全て洗い出して、タスクテーブルを作成します。
Excelを立ち上げて新規作成で新しいシートが開いたら、以下の列を作っていきます。
- タスク(仕事の内容)
- 開始日
- 期間
- 完了日
表ができたら、各データを入力。
この段階で、できるだけタスクに抜けがないようにするのがポイント。
後になって追加や期間延長などが必要になれば、最初からやり直しになる可能性もあるので、現状把握はしっかり行いましょう。
手順➁ 横棒グラフを作る
タスクテーブルができたら、そのデータを基に横棒グラフを作っていきます。
Excelの上部メニューから、「挿入」→グラフ欄の横グラフをクリックして「2-D横棒」の「積み上げ横棒」を選択。選択すると何もデータがないグラフエリアが表示されます。
そこからは、ある程度の知識が必要。全て紹介すると長くなるので手順のみご説明します。
➀「グラフエリア」の任意の場所で右クリック→「データの選択]」をクリック
「データ ソースの選択」ボックスが表示されます。
➁左下の「凡例項目 (系列)」にある「追加」をクリック
「系列の編集」ボックスが表示されます。
➂「系列名」にカーソルが入ったままの状態で「開始日」の文字が入ったセルをクリック
すると、「系列名」と「系列値」に値が入った状態で表示されます。
最初は「開始日」の文字が入ったセルだけでしたが、最終的には開始日の列全体を選択します。
➃値がすべて選択された状態で、フィールドの右端にあるアイコンをクリック
一旦ダイアログボックスが閉じて、系列値が指定されているダイアログボックスが再び表示されたら「OK」をクリック
➄次に、「期間」と「完了日」も➀~➃の手順を繰り返します。
「期間」については、系列値が指定されている「系列の編集」ボックスが再び表示され「OK]をクリックすれば、横棒グラフに表示されるはずです。
➅以上の手順が完了したら、次にグラフの左側に表示されている番号をタスク名に変更します。
「グラフエリア」の任意の場所で右クリック→[データの選択] をクリックして「データ ソースの選択」ボックスが表示。
右下の「横 (項目) 軸ラベル」にある「編集」をクリックすると、「軸ラベル」ボックスが表示されます。
タスクの列の一番上のセルをクリックしたまま、最後の値があるセルまでマウスをドラッグします。
この際、一番上の「タスク」という列名は含めないようにしてください。
選択が正しければ「OK」をクリック
➆横棒グラフを独自にフォーマットしてガントチャートにする
フォーマットは、「グラフエリア」の任意の場所で右クリックもしくは棒線をクリックし、
・グラフエリアの書式設定
・軸の書式設定
・データ系列の書式設定
でそれぞれ好きなようにフォーマットができます。
以上がExcelでガントチャートを作成する最も簡単な方法でしたが、ガントチャートを作成するためのソフトやアプリがあるので、Excelでの作成が困難の方はソフトやアプリを利用しましょう。
3.まとめ
近年、「業務の見える化」という言葉をよく聞くようになり、業務改善ために実施している企業は多いといいます。
特に業務の「属人化」は企業にとって対策が必要な要素であり、業務の見える化によって、社員一人一人の業務内容や問題が把握できます。
そこで、業務の見える化する方法として用いられるのが「ガントチャート」。
業務の作業計画やスケジュール管理を目的に用いられる表であり、その作成はExcelで簡単ではありませんが作成できます。
今回は簡易的なガントチャートの作り方をご紹介しましたが、無理!という方はWeb上に公開されているテンプレートなどの活用がおすすめです。